主婦が婦人科がんになるということ:40歳代で婦人科がんの手術を受けたAさんの語りから (6)前編

6.弾性ストッキングを履き続けることの苦しさ(その1)

 

 

1)手の指の関節が痛い

 

 きついストッキングを1年365日きっちり上げているものですから指の関節が痛くなってしまい、昨日もひじは痛い、両手の指は痛いでストッキングが履けない状態だったんですよ。指の痛みが一番つらい夕方になると包丁も握れないし。

 

 (つらいところは)関節なんですよね、第1関節、第2関節。

 

(指の関節が痛くなってもうすぐ)丸1年。最初は片方だけだったけど、今は両方。私手首も痛めていて、右に力が入らないから左にばかり力が入って。最初は親指だけだったけど、今は中指の第二関節とかも痛くて曲がらない。あまり右手に無理をかけると、本当に曲がらなくなっちゃうから必然的に左で。去年の12月の大雪で雪かきをして肩を痛めて、肩が上がらなくなって、それでもストッキング履かなきゃならないと思って、で泣きながらほんとにストッキング上げて。

 

 (ストッキングを上げるのは)片足ずつなんですけど、自分でいいところまで持ってくるまでが大変なんですよね。夫はね、(ストッキングを上げる手伝いは)できないんです。あくまでも自分で上げないと。

 

 痛み止めって一時しのぎだし、脱ぐ時も(関節は)痛いんですよ。

 

 

2)ストッキングを履く大変さ

 

 浮腫がひどくなるのは嫌なので、酷くならないように朝晩の自分のセルフマッサージとこのストッキングだけは夏は暑くなって汗をかく前に扇風機あてて履いている。歳を取ってからスリーブやストッキングを履いている方は本当につらいだろうなって思う。

 

 ひざ下まではシュルシュルと行くんですが、そこからすごく圧が強いから、本当にちょっとずつちょっとずつ下げていかなければならないんですよね、この痛い指を使って。他の人に引っ張ってもらえばいいとも言うけど、そーっと優しく優しく引っ張ってくれればいいけれど、新しいうちに勢いに任せて力を入れて引っ張っちゃうと、引っ張ってくれた人の指の通りにそこだけゴムが伸びちゃう。

 

 私はずずずーっとこの辺まで下げてきたら、あとちょっとずつつまんでずらしていくんですよね。脛(すね)のところが一番きついから、ここまで来たら隙に親指を入れてグーッとやるんですけど、指が痛いと親指すら入っていかないので、どうしたらいいかなと思って。

 

 下肢でも片足だけのをはめている人は、あまり暑さを感じないんですよね。オマタとかないから素足でいられるじゃないですか、片足だけ包んでいればいいだけだから。本当にこのフルのストッキングって真夏は、酷です。蒸れます。蒸れるとオマタがかぶれます。

 

 ピターってふっついているから夏脱ごうと思ったって、下着のある部分はシュッと脱げるんですけど、ここから先が下がっていかないんですよ。本当にね、苦痛です。

 

 圧が下がればもう少し柔らかくて、シュルシュルとはいけるらしいけど、圧が弱いのを履いて浮腫がひどくなったらさらに強いのを着用しなければならなくなってくるから。ひと夏圧の弱いのを履いて涼しくなりました。はい、じゃ圧の強いのに戻しますっていったときに浮腫がひどくなっていればどうしようってなりますよね。

 

 

3)看護師の変なアドバイス

 

 病院で、いつもリンパマッサージしてくれる看護師さんに、指が痛くてストッキングがあげられないって相談したら、じゃ、片足ずつのストッキングを履かれてみてはと勧められたんです。これお貸しできるので履いてもいいですよって言われたけど、指が痛くて上げられないって言っているのに、なんでこの人はまたストッキングを出してくるんだろうって。それが疑問に。片足だけのストッキングも結局はゴム手袋を履いてあげなきゃいけないでしょ。じゃ、指が痛くてストッキング履けないときは、軽めの包帯でも巻いてみたらどうですかって出してくれるなら、包帯巻くくらいなら指が少々痛くても教えてもらった通りに巻き上げていけばいいから楽ですけど、片足のストッキングを出されて、同じ話ですよね。

 

 古いストッキングをシュルシュルと履いたらどうですかってまたその看護師さんは言うんですよ。でもその古いストッキングも足首のところだけはキツイままなんです。私(の浮腫は)ここ(大腿)の付け根なんですよね、一番ひどいのが。で、そこが伸びちゃってるから古いストッキング履いても意味がない。

 

 看護師さんは、ストッキング履く前に30分早く起きて、枕元に痛み止めを用意して、大体痛み止めを飲むと3、40分で効いてくるから、痛み止めが効いてきたなというときに、ストッキングを履かれたらどうですかって言うんですよ。その看護師さんは、私がいつも朝何時に起きて、こういう生活をしているっていうのを知っているんですよ。私、大体3時半に朝起きるんです。そうすると、その痛み止めを飲むのに3時に起きるのかいって。どこまでこの看護師さんは私の生活を知っていて、こういう事を言っているんだろうと思って。

 

 私みたいな人が増えてくると思うし、歳をとってからスリーブやストッキングを履く方は本当につらいだろうなって私言ったんですけど、歳をとってからだと浮腫もそんなに進まないから、ストッキングやスリーブなんて履いたりはめたりしないよってその看護師さんは言うんだけど、そうじゃないよなって。歳がいってたって、浮腫があったって働く人は働くだろうし、ストッキングも履くだろうし、スリーブだって履くだろうし。なんか違うよなって私思うんですよね。

 

 皮膚科の看護師さんは浮腫の知識がないから、痒くなったらいつでもかゆみ止め塗ってねって言うんですよ。ストッキング履いているから夜寝る前ぐらいしか薬塗れないんですって言ったら、塗るたびに脱いで、また履けばいいんじゃないですかって言うんですよね。あーこの看護師さんも浮腫のストッキングに関しては一つも知識ないんだなって。ちゃんとパソコンの画面には、何年何月に頸がんの手術をして、手の皮膚がボロボロになって皮膚科に行ったことも書いてあって、リンパ浮腫を発症して弾性ストッキング着用って書いてあるにもかかわらず、看護師さんがそういうからストッキングに関しての知識がまるっきりないんだなって。

 

 

 

(6)後編へつづく。