主婦が婦人科がんになるということ:40歳代で婦人科がんの手術を受けたAさんの語りから (8)

8.がん治療の後遺症はずっと続いていて治った実感はない:「がん後遺症難民」

 

 

1)抗がん剤副作用のしびれ

 

 世の中のがんの名医たちは、がんを取った後、抗がん剤や放射線や免疫療法をやって、これだけ生存率が上がるとか言う。でも術後の後遺症は。排尿障害もそうだし、便秘もリンパ浮腫もそうだし。私は抗がん剤の後遺症で右足がいまだにしびれているんですよ。

 

 ビタミンB12を長い間真面目に朝昼晩飲んでいたんですけど、さっぱり効かないって婦人科の担当医に言ったら、「そうでしょ、あれあんまり効かないんだわ」って言われて。じゃ、何で先生飲ませるの。いまだに抗がん剤の後遺症で右足の裏は完全にしびれている。痛いというか、炭酸飲んだ時のシュワシュワ感。そういう後遺症が出ている人はどこの病院で診てもらえばいいのか。

 

 普通に歩けるし、小走りもできるけど、そのたびに右足には痺れの衝撃が走ります。抗がん剤の後遺症です。疲れが溜まってくると、右手の指先全部にしびれが出ます。熱いもの触ってもしばらくして、あっこれ熱かったんだっていう事も。フライを揚げて指先が油に浸かっていても、気がつかないときもあります。なんで指先こんなに真っ白くなっているのと思って、ああ朝お弁当で揚げ物していたあれだと気がついて、気をつけようっていうことが今だにあります。

 

 

2)私は「がん後遺症難民」

 

 先生方は術後の(腫瘍)マーカーの数値を気にし、生存率を気にし10年経ったら検査して病院卒業しましょうと。私も言われたんです。今年9年目で9月に受ける検査が何事もなければ来年1年病院通ったら、手術した病院は卒業しましょうねって。でも、後遺症に関しては、どこの病院に行けばいいんですか?近所の整形外科、皮膚科、挙句の果てには心療内科?足の痺れもそうだし、皮膚の疾患もそうだし、がん後遺症難民はどこの病院に行けばいいんでしょう。いい名前でしょ。がん後遺症難民。自分で勝手に名前つけているんですけど。

 

 (病気が治ったという)実感はないです。幸いにも転移や再発はないけれど。実際私の知り合いも、再発や転移がないんだからいいじゃないって。元気で家族の世話だって仕事だってできるならいいじゃない、私から比べたらねって。再発しました、転移しました、入院です、手術です、次は抗がん剤ですっていって入退院を繰り返すよりいいじゃないって。確かにそうです。家族の世話もできるし、仕事もできる、行きたいところへも行ける、遊びに行きたいといえば行ける。でも、そういうのって比べちゃいけないものですよね。

 

 

(9)へつづく。