主婦が婦人科がんになるということ:40歳代で婦人科がんの手術を受けたAさんの語りから (13)

13.障害者マークがあれば・・

 

 

1)私は十分障害者じゃないですか

 

 ストレスが講じて脳溢血とか脳卒中、心筋梗塞とかを起こして倒れられて体に障害が残る方もたくさんいます。身体障害者として介護保険も適用になります。障害者年金もおります。公共交通機関の乗り物も無料になります。こうやって(ストッキングを)履いていること自体もう(自分も)障害者じゃないですか。見た目私は健常者に見えますよね。足がつらくて地下鉄の中で障害者用の席に座ったら、「いい若いもんがどうして座るんだ」って私言われました。そこ座っちゃいけない席だろうって。妊婦さんはお腹に赤ちゃんがいますってこういのを下げていれば堂々と座れます。若い人でも杖を突いて歩いていれば、そこに座れます。私たちは何もないから座るとそう言う。私実際に2回ほど言われているんです。病院の帰りに足がつらくてつらくてどうしようもない、ちょっと座らせてもらおうと思ってちょっと座っただけなのに。

 

 

2)理解されない

 

 スーパー銭湯に行ってこのストッキングを履いていると隣にいたおばあちゃんに、「そうまでして細く見せたいもんかい、アッハッハ」と笑われたこともありました。それからは1回か2回しか行ってない。その1回か2回も行く前に家でストッキングを脱いで。「そうまでして細く見せたいもんかい」って笑われて、その時私も冗談で返すだけ心に余裕がなかったものだから、早く上がって、汗引けたら早く履かないと浮腫がひどくなるっていうだけで頭がいっぱいだったから。

 

 

3)障害者マークが欲しい

 

 そういうね、せめてそういうマークをくださいって。こういう鞄にね、つけて歩くマーク。お年寄りみたいに明らかに分かりますよね、お年寄りだったら杖付いてるし、明らかに分かります。私たちみたいな人はね、何もないんですよ。

 <中略>こういう私みたいな宙ぶらりんな人には何か、こういう鞄とかにつけて歩くマークがないんですかって。手の不自由な人だって、浮腫がひどくてグローブをはめている人だって、隠してしまえばわかりません。いい方の手に荷物をもってます。悪い方の手でつり革にはつかまれません。でも障害者用の席には座ることはできません。その方は立って地下鉄に乗るって。仕方なく食べ物が入っている袋も地べたに置くって。直に口にするものが入っているものを床に置くってことは抵抗ないですか?食べ物が入っているんですよ。そのかばんや袋をあなた地べたに置きますかって。

 あのね、乗り物もそうだし、銭湯でもそうだし、私はね乗り物乗るのでも全部割引して、障害者手帳をよこせとかそんなことを言っているんじゃないんです。乳がんで腕の浮腫がある人でもそんな辛い思いまでしてすることなくね、若い方でも浮腫発症してつらい思いしている人たくさんいると思うんです。特に腕だし。そういう方がね、ちょっとこうバックに下げているマークを見るだけで気持ちよくすっと障害者用のシートなり座席なりに座れたら。

 

 

*最近いくつかの都市では、ご希望の方に「ヘルプマーク」が配布されるようになりました。

 

 

 

(14)へつづく。