やっぱりがんになっちゃった:乳がんの手術を受けたBさんの語りから(5)

5.がんのことを周囲に伝える

 

 

1) 冷静に対応してくれた友人とうろたえた友人

 

 年が明けて、まず仕事のことをどうにかしようということで、ずっと仕事をした上司にあたる人なんですけど、友人でもあるんですが、看護師さん、医療系の人だったので、きちんと伝えて自分の状況を、検査結果とか持って行って、こういう感じなんだけどどう思いますかって言ったら、やっぱり1年きっちり休んで治療に専念しなさいと。ただ、その後ね、少しずつ体を治して復帰することも可能だからまず1年やめなさいと、仕事を。で、冷静に対応してくれたんですよ。すごく冷静に。で、いろんなことを教えてくれたりとか、これからこんなことがあるよとか、免疫に良い飲み物とか教えてくれたりで、もう友達としてもすごく心強くて。その人とはいまだに頼りにしています。だから病気のこともその人が一番相談にのってもらいました。とても心強い。やっぱり医療職の方が友達でいるとすごい心強い。それで、なんていうか、気持ち的に出さないじゃないですか。

 対照的なのが6歳上の友達なんですよね。その二人がすごい仲良かったので一応二人には言わなくちゃと思って。その年上の友達に言ったときめちゃくちゃショックを受けちゃって、なんかうろたえているんですよ、友達が。で、なんていうの?目が泳いじゃっているというか、どうしていいかわからないというか、自分より年下の私ががんになっちゃったということで、ショックが大きくて。まずかったなとか、言わなきゃよかったって。逆に大丈夫、大丈夫初期だからって、逆に私が慰めるシーンがあって。これその時に、これ変に友達に言わない方がいいかなとか。

 

2) 家族以外には伝えないと決める

 

 仲がいいほど私のことを心配してくれるので、この人のショックの大きさを見たら、ちょっと私もフォローできない。逆になんか、ああ、そうだったんだ、でもちゃんと手術するんだよとかね、いうんだったらいいけど、本当に言葉が出なくて本当に泣きそうな感じだったので、ちょっとダメだっていう気持ちになっちゃいました。それからその後は家族以外には伝えないって決めたんです、ばっちり。

 

 

3) やっぱり伝えていかないといけない

 

(家族以外には伝えないと決めたけれど、その後)変わりました。きっかけはですね、がんサロンに出るようになったことが大きいと思います。あと時間が9年経ったということもあるし、サロンに出ているとやっぱり皆さんがんのことを隠してないんですよね。で、ちゃんと言って理解してもらって、自分の気持ちも伝えて辛い時は辛いとか、やっぱりそういうのはちゃんと伝えていかないとならないなって。私、多分今すぐは死なないだろうっていうのが前提にあって、多分私は1年くらい先のことは見通しがつくから、全然今、元気だからね、なれるので。それは今は話しますね、いろんな場面。

 ただし相手によって言わない人もいます。やっぱり、耐えられないだろうなという人も中に入るので。

 

 

(6)へつづく。